3Mix-MP法 ® オフィシャルサイト
The Official Site for LSTR 3Mix-MP Therapy
Since 2004.04.01
Renewal 2025.02.25
患者さん用 よくあるご質問
FAQ for patients
① LSTR療法
Q. LSTR療法って何ですか?
A. 病原菌と言われる細菌が体の中で増殖すると、細胞が壊れて様々な症状が出ます。これを感染症と言います。感染症を治すには、体の中に侵入している病原菌を殺してしまえば、生体が本来もっている組織修復機能(治る力)により、病原菌によって壊された部分は元通りに治っていきます。このような考え方で口の中でも細菌が壊した病巣を無菌化することで細胞レベルで治す、これをLSTR療法と言います。
例えば、水虫の病原菌は白癬菌で、皮膚に感染すると痒くなったり皮膚がボロボロになります。この水虫を治すには患部をきれいにし、白癬菌を殺す抗菌剤を使います。白癬菌が全滅するときれいな皮膚が出来てきます。
つまり、LSTR療法は、医科治療では普通に行われていることです。
しかし、歯科領域、特に歯の治療に際しては、細菌が侵入して生じた病巣(例えば虫歯)、時には健全組織をも削り取ってしまう方法を採り、細菌だけを殺して病巣組織の回復を図る療法は行われていませんので、水虫の治療に例えると、皮膚を削り取って、人工の皮膚を張り付ける方法をやっているようなものです。
② 病巣の無菌化
Q. 病巣の無菌化は必要なのですか?
A. 「細菌が原因で起こる疾患が治る」ということは、「細菌が除去される」ことが必須です。つまり無菌化されるということです。生体には感染防御機構(免疫作用)があって、細菌と常に戦っています。激しい戦いの場合に「腫れ、痛み、発熱」という「症状」が出るので、抗生物質・抗菌剤という援軍を送ります。生体側が戦いに勝つと症状はなくなり、その時にはもう敵は全滅して無菌化が達成されています。
歯の場合、エナメル質が破壊されている状態(=虫歯)は、皮膚や粘膜における潰瘍と同じで、細菌が自由に体内に出入りできることを意味しています。歯の感染防御機構(免疫作用)は一生懸命戦うが、侵入してくる細菌(口の中の細菌)は無限に多いので、通常、戦いは細菌が勝って、病巣組織(=虫歯)は拡大します。この様に免疫機構によって細菌が除去されにくい場合、3Mixのような人工的な殺菌剤を援軍として送り、細菌の侵入路を断つ事で、病巣の無菌化を図れます。
③抗生物質・抗菌剤
Q. なぜ3種類もの抗生物質・抗菌剤の混合が必要なのでしょうか?
A. 口の中には病原菌になり得る細菌が700種類います。つまり、口腔内病巣には700種類の細菌が生息しているわけで、病巣を無菌化するという事は、700種類の細菌全てを殺す必要があるわけです。ところが、1種類の抗生物質・抗菌剤は、700種類の細菌の一部にしか効きません。これを抗菌スペクトルと言います。したがって、それぞれ違った抗菌スペクトルを持った薬剤を組み合わせて、700種類の細菌全てをカバーする方法を採ります。メトロニダゾール、シプロキサン、ミノマイシンの3種類の混合薬剤は、25μg/mlの低濃度でも700種類の細菌群の抗菌スペクトルをカバーできる事が発見された。この組み合わせが最少薬剤、最低濃度で無菌化を達成できる3種混合併用薬剤です。
④基剤
Q. なぜ基剤(MP)が必要なのでしょうか?
A. 歯の本体の象牙質は、直径3μmの象牙細管の寄せ集めの構造をしています。細菌の大きさはおよそ1μmなので、象牙細管の中に入り込んでしまいます。そうなると、薬剤が届かなくなってしまい、無菌化は達成されません。したがって、薬剤も象牙細管の中に入る必要性があります。MPの成分はマクロゴールとプロピレングリコールで、いずれも界面活性剤ですので、薬剤を象牙細管の隅々まで運ぶ事が出来ます。また、プロピレングリコールは真菌の殺菌作用があり、マクロゴールには鎮痛作用があるので、3Mix-MPは理想的な臨床試薬となっています。
⑤使用量
Q. 治療ではどのくらいの量が使われるのですか?
A. 極めてわずかの量で有効です。単位としてはμg/mlです。
具体的には、混合薬剤の量として、直径1㎜の塊が1回分で、ほとんどの症例では1回の使用で済みます。
全身投与、内服で用いる量に比べると、数十分の一から数百分の一の量です。
⑥使用薬剤の影響
Q. 抗生物質・抗菌剤は、アレルギーや耐性菌が怖いのですが大丈夫ですか?
A. 3Mix-MP法は大丈夫です。詳しくは、注意事項をご覧ください。
Q. 乳歯の治療に使った場合、その下にある永久歯に悪い影響はありませんか?
A. 3Mixの中にテトラサイクリンという歯に着色する薬剤が入っているので気になるでしょうが、歯の中に入れた薬剤が漏れなければ、その心配は全くありません。
Q. 妊婦・授乳中のお母さんに使用しても大丈夫ですか?
A. 「薬剤が血液中に入ることは無い」と言って良いほど可能性は非常に少ない点、使用量が微量な点、薬が薬効を失いやすい点等を考えると、安全と考えられます。
しかし危険はゼロではありませんので、3Mix-MP法以外の治療法があれば、そちらを選択するべきです。
⑦歯科医院を代える場合
Q. 転勤するため、3Mix-MP法で治療して頂いた歯科医院に通院できなくなります。今後、3Mix-MP法を行っていない歯科医院にお世話になると思います。注意する事はありますか?
A. 3Mix-MP法の治療を受けた歯は、X線写真で見ると手抜き治療のように見えます。それは病巣を削らずに治そうとしているからです。3Mix-MP法を知らない歯科医は、X線写真を見て「不完全な治療」と判断し、やり直しを勧めると思います。せっかく神経を取るピンチを脱したのに神経を取られてしまう事になります。
3Mix-MP法で治療した歯は症状が無い限り、やり直す必要性は絶対ありませんので、ご注意ください。
⑧歯科医院の検索
Q. 先生の著書「虫歯はクスリで治る!」を読みました。その本の中に、3Mix-MP法の治療が受けられる医療機関のリストがあり、掲載されている歯科医院に連絡してみましたが、今は3Mix-MP法をやっていないと言われました。リストは当てにならないのでしょうか?
A. オフィシャルサイトに書いてある情報は、間違いありません。
Q. 某歯科医院検索サイトに、3Mix-MP法をやっていると載っていた歯科医院に行きましたが、別の高額な治療を勧められたので帰りました。偽物ですよね?
A. 私達は、歯科医院検索サイトに関与していません。検索サイトに書いてある事は、本当かもしれないし嘘かもしれません。