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​注意事項Precautions

​■3Mix-MP法のデメリット
細菌は大きく分けて、好気性菌と嫌気性菌があります。
一般常識では、生き物は酸素が無いと死んでしまうが、嫌気性菌は酸素があると死んでしまうという変わった細菌です。
口の中にいる細菌は、100%嫌気性菌です。病原菌を殺して病気を治すという医学の常識に従うと、嫌気性菌を殺す抗生物質・抗菌剤に詳しくなければならない。しかし、歯科医師はそういう講義を受けていないので、嫌気性菌の事は分からない。
現に、歯科で使用が認められている抗生物質・抗菌剤の大半は、嫌気性菌を殺菌できないのに認可されています。
厚労省が口の中の殺菌に使用していいと認可している抗生物質・抗菌剤は、好気性菌には効くが嫌気性菌には効かないことから、嫌気性菌の事はあまり知られていません。ほとんどの歯科医師は、嫌気性菌に殺菌効果のある3Mix-MPの治療については無知に等しい。そういう歯科医の間違った言動で、患者さん達は迷走している気がします。
​■アレルギーについて

抗生物質に薬物アレルギーを持っている患者さんは、少なくない。アレルギーが発生するには抗原である薬剤と抗体のIgEが遭遇するとアレルギー炎症が起こる。抗体のIgEは血中にあるので薬剤が血液中に入らなければ、アレルギーは起こらない。3Mix-MP法で歯の中に詰めた薬剤が血中に入る可能性は限りなく低い。

マクロゴールが脊髄損傷の治癒に効果がある事は、イヌの実験で証明されている。

FPA(アメリカ防火協会)は、プロピレングリコールの健康危険性0、反応危険性0と発表している。しかし、アレルギー疾患を有する患者さんには、テストしてから使用する慎重さがあって欲しい。

​■耐性菌について

抗生物質に耐性菌はよく言われる。抗生物質を使い過ぎると効かなくなるというのがそれだ。

耐性菌が生じるには条件があって、高濃度の薬を長期間(数ヶ月以上)使用した場合である。

3Mix-MP法では、薬剤は1歯当たり、1/100 錠の量で、1〜2回の貼薬しか行わない(分解が早く極少量の薬を用いる)。

そもそも、体内に入る事はほぼ無いので、耐性菌が生まれる可能性は低い。更に、3Mix-MPは病巣の殺菌効果が100%なので、生き残る細菌(耐性菌になりうる細菌)はいない。

​■厳密な酸素0の環境で培養して初めて見える口腔内細菌

通常、細菌感染の場合は病巣の中にいるであろう細菌を培養して何という細菌か特定する。

口腔内の病巣でも嫌気性菌培養法で同じ事をすると、病原菌の名前を特定できる。しかし、嫌気性菌培養は、嫌気グローブボックスという大がかりで特殊な装置が必要なので、研究所以外で培養する事は不可能。

口腔内には、700種類の細菌が生息している。という事は、目で見える所にはベッタリ細菌がくっ付いているという事なので、病巣でなくても細菌はいる。

通常の細菌感染症は、病原菌は、ある1種類の細菌です。例えば、結核という病気は結核菌が感染する事で起き、薬で結核菌が全部死ぬと結核という病気は治ります。虫歯菌が病巣を作って増えると虫歯が進行すると思うでしょう。しかし、虫歯菌という名の細菌はいません。虫歯は多菌種複合感染の類いの疾患です。つまり、多くの種類の細菌が協力し合い寄ってたかって虫歯を作るのです。

以上の事から、口腔内疾患では細菌を培養してみる必要性が無く、生息している細菌が全て病原菌だと考えるべきである。

■3Mix-MP法は3Mix法とは異なる治療法

3Mix(3種混合併用薬剤)が700種類の全ての口腔内細菌を100%の確率で殺菌できる事を星野悦郎先生が発見した。同じ大学の保存科の岩久教授と子田助教授(当時)が、臨床応用し治療法の開発に当った。この治療法を3Mix法と呼んでいた。治療結果が思ったような結果にならず、3Mixの限界を感じていた。偶然その時に、仙台の宅重豊彦先生が7年前の東北大学歯学部卒後研修会から試行して得た臨床例を持って、星野先生を訪ねた。

『3Mixを発見してから歯科治療が変わる。あんな事もこんな事もできる。しかし、宅重先生はもう既に夢を実現している。』と評価され、直ぐに『一緒に研究をやろう。』という事になった。こうして生まれた新しい治療法が3Mix-MP法である。3Mix法と3Mix-MP法の大きな違いは、使用薬剤が3Mix法ではケフラール、3Mix-MP法ではミノマイシンを使用する事と、3Mix-MP法ではMPを使用するが、3Mix法では用いない事である。1つの薬剤を替えるという事は、付随した細かい作業の幾つかを替える必要が出てくるので、術式はかなり違ってくると思う。

■厚労省は3Mix-MP法を保険治療と認めない

虫歯、歯周病は国民病とも言われる程、蔓延していて、内科では風邪みたいなものだ。こうした軽い疾患であるが、放置していると歯を失う事に繋がる疾患でもある。風邪を引いて内科を受診したら保険が効かないとなったら、納得いきますか?

広い意味での虫歯の治療に使う薬品のリストがあって、その中に3Mix-MPが入っていないので、保険適応にはならないと国は説明している。なぜ、入っていないのかというと、申請していないから。誰が申請するのですか?治療する側が申請するのはオーバーワークです。国民の健康を守る役目の厚労省が良い治療法はないかと探し回って、良いものがあれば声をかけるという事でない限り、申請はハードルが高過ぎる。実質、申請するなというようなものだ。

3Mix-MP法は、患者さんにとっては痛みが無く治療回数が少ない。歯科医師(治療側)にとっては、手こずる症例がなく、ストレスの無い治療が可能となる。国にとっては、治療費が下がると良い事づくめなのに。アメリカでは、既に3Mix-MPが臨床に使われ、成果を上げている。このままだと、3Mix-MP法は逆輸入になりかねない。

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