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LSTR療法の概念
The concept of  LSTR Therapy

LSTR療法は、従来の感染部位を削除する治療から発展し、病巣の無菌化を行いながら生体組織の修復および再生を目指す、現代的な歯科治療法です。​
LSTRは Lesion Sterilization and Tissue Repair または Lesion Sterilization and Tissue Regeneration の略称であり、日本語ではそれぞれ「病巣無菌化組織修復」および「病巣無菌化組織再生」と訳されます。
以前は「病巣無菌化組織修復療法」と呼ばれていましたが、その後の研究および臨床的知見の蓄積により、現在では修復(Repair)に加えて再生(Regeneration)の側面も含めて捉えられるようになっています。
本ページでは、このような経緯を踏まえ、「病巣無菌化組織修復」および「病巣無菌化組織再生」の両表現を用いて説明します。

歴史的背景と治療概念の成立
歯科領域において、LSTR療法が初めて提唱された当時、大学における教育・研究の現場から、従来の「感染部位を削って除去する」治療概念に対し、生体組織の保存を重視し、細胞レベルでの修復を図る生物学的治療への転換が示された。

​修正版の本文について
本ページの内容は、参考文献の内容をもとに、一部表現を修正して再構成しています。

歯科領域疾患に対するLSTR療法は、病巣組織をできるだけ保存し、それを無菌化して、生体組織レベルの修復を図る治療法である。
もちろんこれまでの歯科治療術式が、「削って埋める」という治療概念に立脚していることから、内科の治療概念、強いては内科的歯科治療の概念を導入したからと云って治療が直ちに成功するわけではない。成功のためには、概念に則った理論と正しい術式が必要である。(概念と術式は表裏一体)
歯科におけるLSTR療法を成功するには、以下の事を理解しなければならない。

1.硬組織であろうと軟組織であろうと生体病巣組織の除去をできる限り避ける。
私達は、う蝕治療の基本は、「う蝕検知液を使うなどして、軟化象牙質(=感染象牙質)を徹底して除去する。」と教育されてきた。ここで、「軟化象牙質も無菌化されれば何の害もない」という事を心底納得できるでしょうか?
2.歯科領域における「体外」と「体内」とを再認識する必要がある。 
口腔は「体外」、歯髄や歯根膜は「体内」である。体外は微生物の住む広大な世界に連絡しており、体外の細菌を撲滅(無菌化)しようとする努力は、ドン・キホーテと同じ無駄な、滑稽な冒険である。歯の表面や歯周ポケットも体外であり、ここから微生物を一時的に駆逐することはできても、永続性がない。しかし、この部の細菌数を少数に制限することで病変の発生を防ぐことはできる。体内でも、自覚される臨床的な病変を起こすには一定数の細菌が感染することが必要で、それ以下の数の細菌は、無自覚のまま免疫機能によって排除される。
3.軟組織の細菌感染と硬組織での細菌感染は違う。
軟組織に侵入した口腔の細菌は、急性炎症を起こすが、通常、白血球の攻撃を受け、喰菌される。すなわち、殆どの場合免疫機能が働き、短期間で全ての細菌が除去される。硬組織の空隙(例えば象牙細管、セメント小腔)や、根管充填材の間隙に残存した細菌は、そこで生き残り、慢性炎症を起こす。この様な硬組織の間隙に残存している細菌は、生体の除去機能では取り除かれないことがあり、人工的な殺菌が有効となる。

参考文献
(1)星野悦郎.抗菌剤が変える新しい歯科治療 Part..東京医科歯科大学歯科同窓会学術講演会,1997.
(2)星野悦郎,宅重豊彦.より大きな効果を引き出す3Mixの臨床応用法-治療術式、薬剤の調整管理法、応用の基本-.日本歯科評論.1998;666:58–106.


注:星野・宅重(1998)においては、病巣無菌化組織修復療法が中心に解説されている。また、LSTR療法をRepair(修復)からRegeneration(再生)へと発展させる方向性にも言及しており、将来的な再生への展望が示されている。

このように、LSTR療法は提唱当初より組織再生への可能性を内包していたものの、当時は主として組織修復を中心とした治療概念として整理されていた。
その後の研究および臨床的知見の蓄積により、現在では病変部の無菌化を前提とした生体組織の回復を、修復と再生の両側面を含む概念として捉える考え方が示されている。

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​最終更新日:2026年2月24日

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